満員のローカルバスで2座席ひとりで占領する白人女 ネパール
5月25日、ジャナクプルJanakpurからビールガンジBirganjへむかうローカルバスで。
ジャナクプルでバスに乗り込むと、白人女が、二人がけのシートを占領し、横の席には大きなバックパックを座らせて悠然と座っていた。毛むくじゃらの赤犬のような汚い茶髪の女だった。
その時は席が空いていたので私は座れたが、バスはだんだん混んで来る。
ネパールのローカルバスは、数年前ほどではないが超満員になるのが普通で、腰掛けられるところならどんなところにでも腰掛ける、ちょっとでもあけさせて腰掛けさせるというのが基本。
チケットの釣り銭のやり取りで立ったときに、ちょっとこれは・・・とその女に注意してみたら、ヒキツケを起こしたように怒り出した。なるほど白人女らしい反応だと思った。
バスはさらに混んできて多くの人が立っている。
子供を抱えた女がそのバックパックの席に座ろうとしたが、白人女は断固拒否。
その次は、おばあさんがそのバックパックにもたれかかってきたがこれも完全に無視。
(なぜ私自身がそのおばあさんに自分の席を譲ってやらなかったのか、と突っ込むやつがいるかもしれないが、ここはそういう文化でもない。そのおばあさんを呼びに行っているあいだに、近くにいる若いインド人男に席を取られてすべて終わり、という可能性が高い。
しかし、人間とカバンでは価値が違う、ということ。人間はカバンよりもクジラよりも価値がある、ということが分からなくなっているのが多いから変な理屈がまかり通ることになる。)
ここまでやるからにはこの女は料金を二人分払っているのだろうか。
仮にそうだとしても、座席指定もないローカルバスでカネで席を買い占めるということに無理がある。
ただでさえ超満員になる、ローカル住民の生活のためのバスである。ローカル住民の生活に必要な空間をツーリストがカネで買い占めていいものかどうか。
しかしこの女の場合はたんに「白人の特権」で2座席占領していただけだろう。ネパール語は話せそうにないし、ガイドも連れていない。そんな分かりにくい交渉が出来たとは思われない。ビラトナガルかカカルビッタからネパールに入ってこのバスでビールガンジまで行き、カトマンドゥに行くかまたインドに戻る、というツーリストだろう。
たしかに、ローカルバスで隣のネパール人がうざいというのは分かる。すぐに眠ってもたれかかってくるし、ゲロを吐くこともある。最近はマナーが良くなってバスでタバコを吸うのを見なくなったが、噛みタバコのにおいはぷんぷんする。しかし、それがどうしても嫌なら、ローカルバスの旅など最初からしなければいいのである。
ローカルバスの車内に大きなバックパックを持ち込むこと自体、望ましくない。地元の人たちは、穀物の袋や段ボール箱に入った商品や生きた鶏などを車内に持ち込むが、それは彼らのルールに従ってやっていることである。自分のバックパックを大切に抱え込み、人に踏まれたり上に座られたり勝手に移動させられたりすると怒り出すような外国人ツーリストがまねすべきことではないと思う。
屋上に荷台があるので(たいてい番人も乗っている)そこに乗せるか、それが嫌なら、小さいカバンいくつかに分けて座席の上の棚や足元に置くか抱え込むのがいいと思う。
私は先日、買ったばかりのデイパックを足元に置いていたら隣の席の男が床にゲロを吐きぐちょぐちょに汚されるという悲惨なことがあったので、バスに乗るときは荷物を3つに分けて二つは上の棚にねじ込むことにした。
とにかく、私だったらどんな立派な理由があってもあの状況で席を二つ占領して座っているのは、隣の男のゲロに勝るとも劣らぬしんどいことだろうと思った。あの汚い髪の白人女のように平然として窓の外の風景など眺めながら楽しいバスの旅、というわけにはいかない。やはり他人の立場を考えてしまうという「日本的な」欠点があるのだろう。
この世界で生き残るためには少しは白人を見習って、どこまでも「自分の正しい論理」だけを貫き通して悠然と構えていられるようになったほうがいいのかもしれない。













































