s-cmbd.シエムレアプ

2007年7月14日 (土)

シエムレアプ 2

7月9日。

クアラルンプル行きの航空券を買った旅行代理店が紹介してくれた「アンコールST」というホテルに入る。一泊20ドルの約束。

シエムレアプのネット環境はよくない。ネット屋は多いがポイペトより遅い。

ポイペトのネット屋はタイのサーバーを使っている。だからタイ政府が規制しているサイト、Youtubeなどは見られない。2ちゃんねるのエロ広告にも規制が入る。

シエムレアプではエロ広告も規制されないので、カンボジアのサーバーを使っているのだろう。しかし遅くなる。

シエムレアプはなるほど朝鮮人が多い。確かに、やはり、うざい。私はタイではツーリストの集まるようなところは避けて旅行するので彼らに出会うこともほとんどなかった。チェンマイに長居していたときも彼らにかち合うことはほとんどなかった。ツーリストの多い「いかにも」な場所、風紀の悪い場所、夜遊び、酒場、ギャンブルなどを避けていれば彼らにぶつかることはあまりない。たまにイサーンを一人で放浪している若い韓国人バックパッカーに出会ったくらいである。

どこにいても、いくら避けようとしても避け切れないのが白人であり、だれも来そうのない場所をことさら探し出して抉るように入ってきてマーキングしたがる白人のほうが頭痛の種だった。

しかしシエムレアプはすこし事情が違うようだ。ここは全体がツーリスト基地、そしていまは白人密度より東アジア人ツーリスト密度のほうが高いかもしれない。

中国旅社はどこにでもあるが、ハングルの看板が目立つ。もちろん場所による。

ネット屋にグループで乗り込んでくる若い挑戦人。ビーチサンダルならまだいいが、トイレ用プラスチックサンダルみたいなのをつっかけて、歩き方から表情からまるでチンピラのようである。

あれも嫌これも嫌ではだめなので、有色人種を叩くのは気が進まないのだが、まあシエムレアプはそういう場所だということ。

出発は一週間先である。ここでのんびりするのもいいだろうと思って出発日を一週間先にしたのは自分なのだが、ちょっと町を見渡してみるとこんなところに一週間もいるのかと思うと気が重い。

アンコールは数年前に一度見た。遺跡趣味でもないので何度も見たいとも思わない。近くの屋台レストランに毛唐が群がっていて乞食少女にちょっかいを出していた。

観光基地なので物価は高いし、ぼるのが基本のようである。なにごともポイペトのマーケットのようなわけには行かない。

おいしいコーヒーというのもなかなかありつけない。ありついてもホットコーヒー2000リエルとか。ここもアイスコーヒーが基本になりつつある。

ポイペトで毎日食べていた孵化しつつある卵や口の中が痒くなるミックスジュースなどはちょっと見た感じではありそうにない。ミックスフルーツシェークは一応ある。いくつか試してみたが、ホンモノのクメールミックスジュースとはいえない。

ホンモノのクメールジュースの要件とは何か。まず、ドリアンが入っていなければならない。ドリアンとジャックフルーツを惜しみなく入れることで口の中が痒くなるのである。そして硬いコンデンスミルクを惜しみなくぶち込む。さらに卵黄を入れる。氷でごまかさないこと。ジュースがグラスの3分の1になってもなおストローが立つこと。

しかし、ここは大きな建物もなく、ごちゃごちゃした感じもなく、緑が多くて南国の雰囲気があり、まあ環境の良いところだといえる。物価は高い。

ホテル「アンコールST」の人たちはみな親切でよくしてくれる。旅行代理店の紹介で来たからかもしれない。旅行代理店で何も買わなかったとしても、代理店を通したほうが飛び込みよりは安くなったり扱いがよかったりするのかもしれない。代理店としては恩を売ることにもなるから紹介だけでもしてくれるだろう。まあ、どうでもいいようなことではある。

タイ人のように、作り笑いの裏にねっとりとしたタメ、屈託、屈折、見下し、嫉妬などが渦巻いている・・・・ということはカンボジア人にはあまりない。

小間使いなど土人的ぶっきらぼうというのはどこにでもある。ポイペトのゲストハウスの掃除のおばさんが異常にぶっきらぼうなので何か怒っていることでもあるのかと思ってみていたが、そういうことではないようだった。

シエムレアプはネット環境は悪いが店によって速度が違う。店がたくさんあるのでうるさい毛唐などを避けようとすれば避けられることが多い。毛唐は公共の場所で必ず大声でしゃべる。それが彼らの支配確立の儀式なのかもしれない。

白人は自分たちが黒人以外の有色人種からも嫌われているという自覚がまったくない。彼らにはほかの有色人種たちからも迷惑がられているのだということを教えてやったほうがいいと思う。黒人に憎まれている自覚はさすがにあるようだ。だからマレーシアでも黒人客のいるところには白人は寄り付かない。なお、マレーシアにいる黒人は不法滞在であっても土方ではない。一般のマレーシア人よりも英語がよくできるような教育のある連中が多く、ペーパーワークのバイトをしている。

シエムレアプは観光基地だが、タイの町にはない健全な明るさがある。

空が開けていて緑が多い。町には清潔感があり空気も良い。植物の発する香を感じることのできる町である。

土人売春婦連れの毛唐はいないわけではないが、思ったよりは少ない。「観光客」が多い。タイ女がカンボジアに行きたがらないからだろうか、タイ女風のはわりと少ない。

(タイ売春婦は毛唐について「先進国」に行きたがる。ヨーロッパに長期売春旅行をしたことがあるがアジアには行ったことがないと自慢する馬鹿なバービア女もいた)。

「イサーン女」を連れているのはあまり見かけない。

しかし50も若そうな色黒の女を連れている白人爺もいた。

この町の人、カンボジア人は、ツーリストからボルことはあっても「媚びる」という感じは少ないように思う。これもタイとの大きな違い。

ツーリストも受け入れているローカルレストランでのツーリストプライスは標準装備。本当にローカルな店は、一見の外国人がドカドカ入っていきにくい感じがする。これもタイとの違い。まっとうなことである。

ホテルに近い裏通りで「孵化しつつある蒸し卵」の店を2件見つけた。英語を話すほうはぼろうとする。蒸し卵の味はポイペトと同じだが、フルーツシェークのはどこも薄味。ドリアンも入れてはいるがほんのちょっと申し訳程度に入れてるだけ。

数年前にポイペトで毎晩飲んだ「グラスの3分の1になってもストローが立ち口の中が痒くなる」フルーツシェークをもう一度飲んでみたい。ドリアンとジャックフルーツと硬いコンデンスミルクを入れなければならないので日本で作るとたいへん高いものになりそうである。

それほど目立つわけではないが、在住フランス人もかなりいるようだ。今でも特権的地位を維持しているようで植民者然としている。

ポルポト時代が終わるのを待って、それ見たことかとばかりに舞い戻ってきたのだろうか。

白人は植民地主義の時代に獲得した特権を決して自ら手放すことはない。

そういう在住フランス人の子弟らしき子供がネット屋にも来ていたりする。日に焼けているのか地黒なのか、色黒だが明らかに白人との混血とわかる中学生くらいの女の子が(小学生かもしれない)二人、小さな声でグズグズブツクサとフランス語を話している。

白人は、白人意識を持つ以上何代しても白人としての母語を忘れることはない。ヨーロッパの言語こそ文明人の言語である、という強い確信がある。これはいろいろな古典を読むと普通に出てくる思想である。

しかし、言葉を忘れないことは華僑、印僑も同じ。

一代のうちにも母国語を忘れて現地同化してしまうのは日本人くらいである。

地元水準から見るとこぎれいな格好をしてフランス語でおしゃべりしネット屋で暇をつぶす白人混血の女の子。これだけ見ると特権的な白人の子供という感じである。

しばらくしてネット屋が満室になったところに、突然アメリカ直輸入のような白豚デブメスが二匹、100メートル先にいても聞こえそうな英語を話しながら乱入してきた。

暇つぶしのようなことをしていた二人の植民地混血の女の子は、まるで指図されたように席を立ち、でかい白豚メスに追い立てられるようにそそくさとネット屋を出て行く。

その場面は明らかに、これまで東南アジアのいろいろなところで見てきた「白人に追い立てられるアジアローカル客」の図だった。

シエムレアプのローカルカフェは「テレビカフェ」が多いようである。わりと閉鎖的な感じの広めの店に3台ほどテレビが置いてあり、アメリカのプロレス、中国のチャンバラ、カンボジアのドラマを放送している。そのうちのひとつ、真ん中においてあるテレビがメインで、大きなボリュームになっている。客はみんな同じ方向に座りテレビを見ている。ホットコーヒーはない。アイスコーヒーのみ。大体こんな感じである。

この辺はまだ家庭にテレビが普及していないのだろうか。そんなこともなさそうに思うが、日本にも公共の場所でみんなで同じテレビを見たという時代があったと思う。黙ってテレビを見ているだけだが、彼らは毎朝この薄暗いカフェに集まってくることである種の社交感を得ているのかもしれない。

ついたすぐはアジア系観光客がウザイように思ったが、しばらくいるとやはり白人が一番目障りであることを再確認する。アジア系は諦めが早い。どんなところでもさほど長居しないのである。

これに対して白人は、国籍・民族を問わず長引く。自分の空間支配へのローカルたちの「承認」を得ようとして、名残惜しそうにうろちょろしちょっかいを出す。用が済んでもさっさと消えないのだ。大声、無駄話、ガン飛ばしが白人の得意技であることはいうまでもない。

占領した土地で息を潜めて隠れている少女を探してあちこちかぎまわりなかなかバラックに引き上げようとしない白人兵そのものである。

旅先を選ぶときは、海外でも国内でも、白人ツーリストが来ないところを上手に選ぶことが大切である。多くの日本人がそういう意識をもつようになれば、受け入れる側も考慮するようになるだろう。

白人とじゃれあいたい馬鹿は白人国家にいって水ぶっ掛けられたり石投げられたりしていればいいのだが。

案外要注意なことだが、タイに行ってタイにはまってしまう者には海外一人旅はタイが初めてだったという者が多く、また他の国はほとんど行ったことがないという者が多い。そして、彼らが繰り返しタイに通った動機のひとつに、タイに白人がいっぱいいるから、というのがあったりするのである。

外国で白人とじゃれあいたいが欧米に行くのは経済的にも語学力からもしんどい、タイなら白人ツーリストがいっぱい来ていて下手な英語でも相手にしてくれるような気がする、白人とフレンドリーに英語でおしゃべりする機会も多いような気がする、ということでカオサンあたりに沈没を決めこむ若い白雉日本人が少なくないように見える。

そして彼らは、白人がこんなにいっぱいいるタイは日本よりずっと「国際的」で、「タイのルールはグローバルスタンダードに近い」と思い込むようになったりするのである。

在タイ日本人には幼稚な白人崇拝者が多く、いつまでたっても目が覚めない人が多いが、ひとつにはこのような成り行きによるものだろうと思う。いろいろな国からタイに掃き寄せられてきている最底辺の白人たちを日ごろ目の当たりにしながら、「白人=英語ができる人」、と本気で信じている(ほど英語が聞き分けられない)者も異常に多い。

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2007年7月 9日 (月)

シエム・レアプ Siem Reap カンボジア

頭にタオルを巻いて「シェムリ、シェムリ」と連発しているバックパッカーを見ると(どこの国のとは言わないが)その場で透明人間になりたいくらいに恥ずかしいものである。

私が聞き取った限り、現地発音は「スィエム・レエプ」に近い。「スィ」に強調がくる。ポイペトの人たちはシエムレアプ出身という人を含めてそんなふうに発音していた。

ただツーリズム関係者は「リアップ」みたいに発音することが多いようである。シエムレアプに近づくほど「シエムリアップ」みたいに発音する人が増えるように感じた。

スィエムとは「タイ」「シャム」のこと。カンボジアではいまもタイのことを「スィエム」と呼ぶらしい。

タイの馬鹿な女優が「アンコールワットはタイのもの」という発言をして政治問題になったことは記憶に新しい。このあたりまでシャム領(アユタヤ朝)だったことはあるが、アンコールの時代でないことは言うまでもない。シャムの主要部分がクメール国家の領土だった時代の方が長いだろう。

7月9日。

ポイペト、Long Senglyゲストハウスをチェックアウト。午前9時すぎの乗り合いタクシーでシエムレアプに向かう。Long Senglyの無愛想な男が車を呼んでくれる。特にぎゅうぎゅうづめというわけではなく、普通の日本車に5人乗り。他の客はカンボジア人の女の人ばかりだったので助かった。

ポイペトには17日間も滞在してしまった。

ポイペトからシソポンまでの道は悪い。かつてはここをピックアップトラックの荷台に乗って行ったりしたが、今では地元の人もそんなことはしないようである。

途中、"Absolutely against child sex tourism"という大きな公共広告の看板があった。

「コンドームをつけましょう」よりはかなり進歩したといえる。

地雷原の標識も見なくなった。地雷はほぼ撤去されたのだろうか。牛が出ますという絵入りの標識はある。

1時間以上かけてようやくシソポンを通過。

本当に道が悪い。いい加減なコールタール舗装が却って道を悪くしている。

シソポンは役場や学校が少しあるだけの小さな町。通り沿いにゲストハウスも何件かある。

シソポンを過ぎると舗装はなくなるが、道はかえって良くなる。車はスピードを上げてくるので揺れることには変わりはない。

11時半ごろ休憩。レストランなどしょぼいがツーリストずれしていて英語でぼってくる。韓国人ツーリストを2、3見かける。

カーステレオがカンボジアの歌謡曲を流している。どこかで聞いたような曲も。「イタコノイタロー・・・・・」というのをゆっくりに編曲してカンボジア語の歌をかぶせたものだった。もちろん日本の歌などという認識はないだろう。初めてポイペトに来たころ、バラックのカラオケ屋で「北国の春」をがんがんかけていたのを思い出す。ポイペトのマーケットの祭日の夜のステージショーでは「ルージュ」モドキで歌って踊っていた。「ルージュ」を編曲して現地語の歌をかぶせたのは、カンボジアでもミャンマーでもチェンマイのプールバーでもよく聞いた。フランス語の歌詞をかぶせた「ルージュ」というのも聴いた記憶がある。

午後1時ごろシエムレアプに入る。急に道がよくなる。

立派なホテルが並んでいる。ハングル文字の看板が目立つ。病院の前には大きなデング熱の警告看板が立っている。

シエムレアプに来るのは5,6年ぶりの2回目。今回はガイドブックも地図も持っていない。車を降ろされたところはどうもシエムレアプという感じのしないところだった。

まずマレーシアに戻る航空券を買ってしまおうと思い、旅行代理店を探すが見当たらない。適当なホテルのフロントで聞くと、親切に教えてくれた。「ダウンタウン」のほうに行けば旅行代理店がたくさんあるということだった。地図ももらう。

バイタクで適当に「ダウンタウン」を目指す。ダウンタウンと言っても通じないので、適当に指であっちの方と指図する。

予想したとおりだが、「ダウンタウン」はあちこち毛唐だらけ。といってもチェンマイほどではない。そしてハングル文字だらけ。

安くてよさそうな場所、感じのよさそうなゲストハウスなどには必ず毛唐がご主人様然とふんぞり返っている。観光地だけに、タイのクズ毛唐とも一味違ったエラブリがある。

泊まるところを決める前に旅行代理店に入って航空券を買う。

クアラルンプル行きのチケットを手続きしている間に、若い中共中国人のカップルが入ってきた。赤い星のついたそろいの帽子をかぶっている。愛国無罪丸出しといった体。

若い女のほうが横柄な口調の慣れた英語でどんどんと突っ込んでくる。タイ国王がぶら下げているような大きなカメラを首から提げている。

ダサい百姓といった感じの連れの男ともども「チャンコロ丸出し」なカップルである。

クンミン(昆明)までの航空券を買いたいらしい。自信たっぷりの英語だがしゃべることは知れている。

「いくらだ」、(店の人が金額を提示)、「負けられないのか」(とにかく口調が攻撃的)・・・

店の人はむっとした顔で否定。すると諦めよく出て行った。

中国人らしい割り込みだが出て行くのも早かったので助かった。いつまでも場をひっぱって長居しないだけ毛唐よりは実害が少ないといえるかもしれない。

クアラルンプルまでの片道チケットを買うのに少し難儀した。国籍にもよる。最初は往復か帰り旅券がなければだめだといっていた。しかし、マレーシアにはいつも片道で行っているとしつこく言うと航空会社に問い合わせてくれた。

日本人であることをパスポートで確認し、航空会社(マレーシア航空)に電話で旅券番号などを伝える。旅券のコピーもとる。結局、空港で500ドル提示すれば片道でも可、ということで片道チケットを売ってくれることになった。

店の人は最初、KLまで145ドルという数字を出していたが、135ドルに負けてくれた。こちらからは負けろとはひとことも言っていない。向こうのほうからニコニコと負けてくれた。135ドルが良い値なのかもしれない。余っているタイバーツで払う。バーツ両替レートはなんと1ドル30バーツ。135ドルで4050バーツである。このレートはちょっと良すぎる。今1ドル35バーツ弱だろう。

いずれにしても、あの英語の達者な大陸中国人カップルはこの店で相当邪険に扱われたようだ。英語も日本語も(タイ語もインドネシア語もネパール語も)片言しかしゃべれない日本人の私との扱いの差が顕著であることに驚いた。

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