チアトルCiatre ジャワ島
1月10日。
レンバン市場近くからスバンSubang行きのミニバス。1時間ほどでチアトルCiatreに着く。車掌に教えてもらって降りる。
チアトルは温泉地だが少し寂しい感じのところ。丘陵にあり坂が多く、チパナスほど宿などの集中した地点がない。宿や食堂を探して坂道を歩き回るのがたいへんになる。
通りでミニバスを降りたところからバイタク(オジェというらしい)の男が付きまとう。客が少ないせいか、付きまとい方はチパナスよりもしつこい。騒がしいところも嫌だが、あまり寂しい感じのところも物足りなかったりする。
いろいろ探した末、Inti Sari(インティ・サリ)という宿に入る。150000ルピア。お湯は1会派出るが2階は出ない。チアトルは温泉郷といってもチパナスほど湯量は多くないようである。(チパナスは四六時中どぶに湯が流れている)。
観光バスが止まる、荒涼として広いマーケット地域があるが、その周りには宿がない。このマーケットはバラック風で、いささかカンボジアを連想させる。
周りに障害物がなく、周囲の風景を楽しむことができる。なだらかな丘陵の上、高原のリゾートといえる。チパナスより立地はよいと思うが、湯が少ないせいか客も少ないようだ。
チパナスは周囲に家が建て込んでいる豊かな村だが、ここチアトルは寒村という感じ。
泊まったPondok Inti Sariは2部屋1組になっていて家族、グループ向けのつくり。中の小部屋にも鍵がありその外の共用スペースに居間があり、料理もできるキッチンが付いている。私は中の小部屋を小分けにした一部屋だけ借りた形だったが、小部屋の鍵は渡されず全体の鍵だけ渡されたので、全部自分専用に使っていいものと解釈していた。夜別の客が来てもうひとつの小部屋を使わせろといって来たらどうしようかと思ったが、誰も来ず大丈夫だった。キッチンにはリンナイのガスレンジがありなべやコップや皿なども置いてある。やかんはなかったが飯蒸し用のなべがあった。コーヒーやバンドレックは自分で入れられる。
表で早速毛唐を見かけた。貧乏くさい痩せたオヤジで、半袖半ズボンで早足で歩き回っている。思いつめたような表情で歩いていた。ここに長居していそうである。こういうやつはタイに飽きたかタイに居られない事情ができてタイを離れているのかもしれない。しかし毛唐は死ななければ治らない。死なない限り解決はないだろう。毛唐だから英語教師として就労ビザを取り長期定住している可能性もある。英語教師は英語圏白人なら高卒中卒すべてOKである。
「タイ落ち」の毛唐だとして、毛唐がタイにうんざりしたとかツーリズムが嫌いになったなどと言っているのはまったくのお笑いである。なぜといって、「タイ」もツーリズムも実は「毛唐の似姿」でしかないからである。
「タイそのもの」はただの汚らわしいドロでしかない。そのドロは生暖かく、舐めるとときに甘く、近づけば近づくほどドゥリアンのような臭気を放つ。タイへ行く人間がそれぞれ自分の国から持ち込んだ妄想の型にタイのドロを流し込んでいるにすぎない。
タイへ行ってしまうような人間、タイに引っかかってしまうような世界中の下衆たちが持ち込む妄想の型が、「現実のタイ」を、タイの歴史を、タイの社会を、形作っている。
思いっきり背伸びしたテロリストにとってさえ、それがどんなに訴求力をもつ行為であるとしても、タイの白人の溜まり場を吹き飛ばすことだけはタブーなのである。
世界最強のテロリストたちがそれに本気で取り組んだとしても、タイのヘドロの堀を渡りきることは難しいかもしれない。というわけは、タイとは「白人の裏の顔」にほかならないからである。
午後6時をまわったら電気が止まった。8時ごろに復帰。夜遅く2階の部屋に人が入りキチガイのように音楽を鳴らすがやがて静かになった。夜中は本当に静かでちょっと怖いくらいである。
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