s-id.チルボン

2007年2月 6日 (火)

チルボンCirebon ジャワ島

1月15日。

12時前にホテル・ガルーダ3をチェックアウト。今日は昨日とは違い、頼まなくても11時ごろに水が出た。荷物をまとめて部屋を出ると、ドアの外に椅子が置いてあってパン一斤とポットのお茶がたっぷりとおいてあったがすでに遅し。昨日の朝は何も出なかった。

ホテル・ガルーダ3の前の食堂で食事、食堂の人にチルボンCirebonへの行き方を聞くがよくわからない。

ガルーダ3の近くの交差点を越えたところでミニバスに乗り、チルボンへ向かう。1時間ほど走ってチルボンに着く。

チルボンは大きな町のようだが一見して特徴がない。適当にアンコタを拾いいい加減なことを言って「ターミナル」に行ってしまう。郊外のバスターミナルだった。そこからコタ(市街)まで戻るのに1万ルピアくらいはしそうである。

ここでアンコタにぼられそうになる。同じようなアンコタでも言い値が2千から5万まである。もうちょっとで2万の車に乗りそうになった。ドゥアプロ(リブー)とドゥアリブーを勘違いした。ようやくドゥアリブー(2000)の車を見つけてコタに向かう。

インドネシアでは降りるときにまた値段が変わり、交渉しなければならなくなることが多い。何かわけのわからない理由をつけてぼろうとする。このアンコタもあちこちまわって他の客を全部降ろしたあと、最初に言っておいたホテルから遠く離れた町はずれに向かって行った(後でそのホテルの位置を確認してわかった)。町はずれに来たところで強く「キリ(左)!」といって降りる。普通の言い方で言ってもまだだといって降ろそうとしないのは何か下心があるからである。渡す金額は最初に何度も念を押しておいた2000ルピアだけ。不服そうに受け取っていた。

よくしゃべる運転手には要注意である。インドネシア語が少しわかるようになって調子に乗ってつきあい始めるとすぐにカモにされる。帰れないようなところに連れて行ったり、ガイド料のような感覚で平気で増額を要求してくるだろう。その迫り方は強引で危険でもある。ネパールなどの弱気なぼり方とは構えがぜんぜん違う。ネパール人はこちらが強く出ればすぐに引くことが多い。しかし「素の土人」のこわさ。石器時代人直系の怖さとでも言うべきものをここにきてしみじみと感じる。もちろん女が一人で旅行していい場所ではない。インドネシア通の女なんてのがいたら、初日から最後の日まで一貫して肉便旅行の女というほかないだろう。

ところで、チルボンの女子高生は美人ぞろいである。アンコタに乗り込んでくる女子高生のほぼ半分は魅力的である。日本で、電車に乗っている女子高生の半分が魅力的ということはめったにないことであろう。イスラム風の制服+ジルバブ(ヘッドスカーフ)の少女と、日本式の制服(といってもスカートはひざの上くらいの長さで制服のファッション性は論ずるまでもない)でジルバブなしの、2タイプがある。非イスラム風の制服を着ている女の子はたいてい細身でしぐさなど日本の女子高生に近い。ちょっと中国系の血が混じっている感じの子もいるし、インド系もほんのり混じっている感じの子もいる。バンドゥンあたりの女の子とはまた違った美しさがある。バンドゥン近辺の女の子は黒い瞳の輝きが印象的だったが、ここではむしろすっきりとした白目の美しい子が多い。白目の切れの良い女の子はインド美人的な印象を与える。いずれにしても、長い時間をかけて中国系やインド系が土人ベースの上に混血していったという感じであり、昨日や今日の混血という感じではない。

アンコタを降りたところから歩いてホテル・カリスマKharismaまで行く。エグゼキュティブルームを半額ほどにディスカウントしてもらい、25万ルピアでチェックイン。もうちょっとと言うたびにするする値が下がっていった。交渉はしてみるべき。

久しぶりに毛唐を見かける。

べチャ(リクシャ)に何度か乗ってみたがヤクザばかりである。最初にいくら料金を確認しても降りるときにその値で満足することはまずない。必ずどこか遠いところに連れて行こうとする。単に大回りして増額の理由にするためだけである。

夜、誰もいないホテルのロビーに座って、格調高い「ザ・ジャカルタポスト」でも読もうと思っていると、ホテルの料理長という男が近づいてきた。もう新聞は読ませてくれない。ひっきりなしに話しかけ上手なわかりやすい英語を話す。謙虚なのか嫌みなのかそれとも自分の英語をほめてもらいたいためか、自分は外国人とコミュニケーションをしたいがなかなかその機会がないので(話に付き合ってほしい)などと正直に言ってくる。「英語が下手ですみません」とか、あなたは英語が上手ですね、どこで習ったんですか、などと何度も言う。私はといえば、このところ英語を読むことはあっても話すということはまったくなかったのでさっぱり舌が動かない。簡単な単語の発音にも苦労する。彼がしゃべっていた英語のほうが、語彙も語法も私がしゃべる英語よりずっと練達したものだった。

この手のアジア人に一番用心しなければならない。悪意を表に出していないだけやっかいで、こういうアジア人には近づきにならないのがいちばんである。このホテルはいまよほど外国人が来ないのだろうが、しかしいったん白人客でも来れば、こういうやつは手のひらを返したように向き直り、白人の周りをくるくると回り始め、その末には必ず日本人を見下す態度をとろうとするに違いない。この種のアジア「英語人」の生理と病理はどこの国に行ってもまったく同じである。彼らは同じ自然法則に従って動かされている人形のようなものである。日本にも「英会話」をしたいためにわざわざ「ガイジンハウス」に泊まりに行ったりするのがいるそうである。国辱以外の何ものでもない。

昔の人はほぼ「読本」だけで外国語を習得できた。カントやヘーゲルを読み辞書を暗記して覚えたドイツ語を引提げて留学し、いきなり講義を聴いたりしたのだろう。私は昔々、そのやり方をほんの少しまねしてから、「シュピーゲル」を読んでみてぜんぜん歯が立たず落胆したことがあったが、それは修行が足りなかったからであろう。しかしそのようなやり方で身につけた外国語こそ「内容のある話」をする道具になるのだと思う。

大学を出ても英語が話せないのは「受験英語」が悪いからではなく、「受験英語」をしっかりやらなくなったからである。(白人の都合もあってNOVA的・白痴的英会話がスラスラできることこそ「英語ができること」であるという宣伝が盛んになされているからでもあるが)。

インドラマユの石油プラントを作っていたときには、チルボンにも日本人がたくさん来たらしい。それでこのホテルに日本食レストランを作ったらしいが、プラント建設が終わって日本人が来なくなったため、日本食レストランも閉鎖になったのだとか。

16日。

Hotel Kharismaに連泊。ここは夜も静かな宿である。英語も通じて問題ない。

チルボンにはネットカフェもあるが日本語IMEを入れることはできない。日本語が書けるようにするためにはPCをリスタートしなければならないが、リスタートするとそれまでにした変更が一切キャンセルされて元の設定に戻るようになっていた。こういう風に厳重管理されていることがインドネシアでは多い(マレーシアでは比較的勝手に入れられることが多い)。

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